人生初!マルチに勧誘されてみたよ

こんにちは、夏はスイカがおいしい!はしづめです。
Tips記事いっぱい書きたいことあるな~と思いつつ数ヶ月単位でサボってる間に、なんと噂に聞くマルチ勧誘(される側)を体験しました。

最初にオチを書いておきますと、話が本題に入る前に「興味ないです😊」と蹴って帰ってきました。
蹴ったといってももちろん物理的に暴力をふるったわけではなく比喩です、比喩。

なかなか面白い経験だったので、備忘録として感想をここに記します。

マルチ勧誘体験記

スタンダード・アポメール

夏真っ盛りのある日、プライベート用のスマホにメッセージが届きました。

Aさん

おひさしぶりですAでーす
飯行きましょー

送り主のAさんは同じ職場(私にとってはバイト先)で働いていたことがある知り合いですが、プライベートで食事に行くほど仲良くありません。なんなら態度には一切出してませんが私は苦手だと思っていました。なのでAさんに自分の連絡先を教えたことはありません。
どこから私の連絡先を知ったのかは簡単に辿れたので、情報源が共通の知人であることはすぐわかりました。知り合い同士とはいえ、何の事前連絡もなく人の個人情報を横流しするのは褒められた行為ではありません。

はしづめ

この人とこの人に連絡先教えた人の情報モラルどうなってんの?

内心ドン引きでしたが、企業ならともかく個人にそのレベルのプライバシーポリシーを持てというのは難しいのが現状です。
悪気はないだろう食事の誘いに対して開幕チクチク説教するというのも、あまりに狭量な気もします。

諸々を一旦飲み込んで、私は愛想よく「お食事ですか、いいですね~!他にどなたを呼ぶんですか?」と返事をしました。
それに返って来たメッセージを要約すると……

Aさん

ビジネスの話がしたいから他の人はちょっと💦

Aさん

上司が今ちょうど東京からこっちに帰省してるんだよね

Aさん

とりあえず話だけでも聞いてみてくれない?😀

マルチだ、と確信しました。

私はMLMの類にまったく詳しくないのですが、ファーストアプローチがあまりに教科書通りでいっそ感動したくらいです。これが噂のマルチかー!初めて見たー!!……みたいな。
ろくな話じゃないだろうなあ~と思いつつ、面白そうだったのと共通の知人への被害状況が知りたかったのとで、私はお誘いに応じることにしたのでした。

違法勧誘に注意!

統括者、勧誘者(統括者がその統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行わせる者をいう。以下同じ。)又は一般連鎖販売業者(統括者又は勧誘者以外の者であつて、連鎖販売業を行う者をいう。以下同じ。)は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者の氏名又は名称(勧誘者又は一般連鎖販売業者にあつては、その連鎖販売業に係る統括者の氏名又は名称を含む。)、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品又は役務の種類を明らかにしなければならない。

特定商取引に関する法律 第33条の2(連鎖販売取引における氏名等の明示)より

要するに、勧誘する際はアポイントメントを取る段階で被勧誘者に企業名」「説明者・勧誘者の氏名」「扱う商材」「勧誘が目的であること」を通知しなくてはならないと法律で定められています。

まあ当然のように全部なかったです。
なんなら「え、勧誘?」と直球で聞いたんですが違うって言われましたし。

マルチ商法に関する特商法の概要は連鎖販売取引 | 特定商取引ガイド』(外部リンク) のページにとてもわかりやすくまとまっていますので、勧誘する方もされる方も、是非把握しておきましょう!

マルチ疑惑:2%OFF

これはマルチだー!!と確信していた私は、Aさんとは無関係かつ自分が信頼出来る家族や友人に、Aさんとのメッセージでのやりとりも含め現状をすべて報告しました。
これは万一自分が洗脳された時にぶん殴ってもらって正気を取り戻すための根回しです。

それからボイスレコーダーとして先代のスマホを引っ張り出しました。
躊躇いなくぶん殴ってもらうためには会話内容をそのまま伝えた方が早いし、改めて1人で聞くことにより冷静な判断が出来るかもしれないからです。

上述の通り業者名や同席するらしい上司さんのお名前などは一切通知されなかったので、事前にマルチの実態を調べられなかったことが不安要素です。自分がマルチ勧誘初体験ということもあり、最悪の事態も想定して色々と準備を進めました。
いやまあ、本当に危険を避けたいならこの時点で断っとけって話なんですが……。好奇心には勝てませんでしたね!

着々と準備を進めている最中、店が決まったとの連絡が入りました。
迎えに来ると言われましたが普通に嫌だったので家族に送って貰うと伝えたところ、Aさんが意外な提案をしてきました。

Aさん

せっかくならご家族の方もご一緒にどうですか?

はしづめ

えっ、共通の友人の同席は避けたのに私の家族はいいのか?

その瞬間、私の中でマルチ疑惑パーセンテージが99%から97%と若干減りました。

通常人を丸め込もうとした場合、2対2よりは2対1の方が絶対に有利なはずです。わざわざ不利な2対2に持ち込む理由が読めません。
加えて私は仕事の関係者に個人的な話をすることがほぼないので、私の家族と面識のないAさんは何も情報を持っていないはずです。どのような人物かまったくわからないのに連れて来ていいだなんて、勧誘目的だとしたら迂闊にも程があります。

予想外な展開にわくわくしながら家族に話してみたところ「心配だからついてく」と即答されたので、私たちは二人でマルチ勧誘会場に赴くことになりました。

見て1秒でわかるマルチ

指定されたお店(夜遅かったのでファミレスでした)に行くと、スーツを着た男性2人が待ち構えていました。
1人は大して親しくもない知人Aさん、もう1人は知らないおじさんです。

なんかもう……マルチ勧誘初めてでもマルチだって一目見てわかるくらいにマルチな雰囲気でした。

真っ先に目についたのは、お二人が着ているスーツです。
恐らくセミオーダーだと思われるフィット感。型や色は異なりますがよく見ると一部に同じ生地とボタンが使用されており、同じ店で仕立てたスーツである可能性が高そうでした。
スーツのオーダー先なんて選り取り見取りピンからキリまで選びたい放題の今、一回り以上歳が離れているだろう成人男性2人で店が被ることってあんまりない気がします。

はしづめ

買わされたんだろうなあ……

ご本人に聞いたわけではないので、真相はわかりません。
私がスーツに気を取られている一方で、同行してくれた家族はというと最初からクライマックス状態でした。

はしづめ2

スーツの男2人がファミレスでタブレット構えてる時点で無理無理無理!!
明らかにアレじゃん!!

もうヤだめっちゃ帰りたい……

物凄い顔をして露骨に嫌がっていました。
文章にすると弱気に見えますが、実際はもっと……なんというか、強気で吐き捨てるみたいな嫌がり方です。
隠す気もないのか、いっそ失礼なくらい本音が顔にも態度にも駄々洩れていました。ついてこない方が良かったのでは?

警戒心云々よりも嫌悪感の方が強く出てしまっている家族の態度を一切気にすることなく、挨拶もそこそこに謎のおじさんは朗々と話し始めました。

これで騙される人がいるなら見てみたい

話が始まって3分で思いました。

はしづめ

話クッソ下手だなこの人。

申し訳ありません、おもわず汚い言葉を使ってしまいましたが本当に本ッ当にほんっとーーに下手だったんです……。

こういうマルチ商法や宗教の勧誘って舌先三寸で相手の心理の隙を突き、巧みにモノを売りつけたり契約を取り付けたりするものだという偏見が私にはありました。闇属性の営業職みたいな。
念のため言っておくと、真っ当な営業職の人を貶める意図はありません。そもそも自分が元営業職ですし、今も仕事柄営業はします。

私が今まで見てきた中で上手いなと思った営業さんは全員、例外なく聞き上手でした。
声のトーンや口調、話すスピードや相槌の仕方などを相手に合わせて柔軟に変え、心地よく話せる空間をものの30秒で作ります。
楽しく会話をする中で「この人、良い人だなあ」と感じさせたらほぼ勝ちです。人間は自分の直感や判断を疑いたくない生き物で、かつ警戒心が強い人ほど懐に入られたら弱いものです。

なので私はボイスレコーダーを用意して、周囲に根回ししました。
どんなに警戒しようが騙される時は騙されるということと、騙せるスキルを持つ人を実際に知っているからです。

ボイスレコーダーでの録音についての補足

今回、私は勧誘の席で先方の許可を取らずに会話を録音しています。
これは「秘密録音(無断録音)」と呼ばれ、違法行為ではありません。この手段を用いて得た録音データは民事訴訟において原則として証拠能力が認められます。

録音行為自体は違法ではありませんが、録音データに含まれる音声や会話内容によっては保護すべき個人情報であると判断されるため、データの取り扱いには十分注意する必要があります。相手の同意を得ないままネット上にアップロードする等の行為は、基本的に論外です。

さてさてこのおじさんはどんな手管を見せてくれるのでしょうか。
私は正直、結構期待していたんだと思います。それなのに、それなのにですね……

はしづめ

コイツ自分と金の話しかしねえ……

一方的にどうでもいい身の上話や失敗談にかこつけた金、金、金の話を延々と20分。
こちらのパーソナリティを探ろうという動きは一切見られませんでした。相手を見ずに好きなことを喋るだけ。技巧も何もなくひたすらに押しつけがましいだけの、続ければ続けるほど不快感が募る最悪の話し方です。

いただいた名刺の裏には携わっている事業内容が具体性のないふわっふわな表記で5つ並べられていましたが、その内の1つは私の本業に深く関係するものでした。
この事業の話をするなら遠慮なくつつき回すつもりでしたが、全体的に薄っぺらい上に事業内容について具体性のある話が一切出なかったのでつつき回す以前の問題でした。

挙句の果てに、先方が唯一こちらの回答を引き出そうとした時の会話がコレです。

おじさん

権利収入……というと、怪しく聞こえますよね?

はしづめ

胡散臭い印象はありますね。

おじさん

それでは(タブレットを操作して画面を切り替えながら)……このように『不動産権利収入』と言い換えたらどうでしょう?
怪しさが少し薄れますよね?

はしづめ

むしろその説明で余計胡散臭くなりましたけどww

はしづめ2

……は?
ちょっと意味がわかんないです

※実際の会話では多少オブラートに包みました。

ある事柄について怪しいか怪しくないかの見極める時は『どの企業によって提供されるのか』『どのようなビジネスモデルを採っているのか』などの詳細を調べ、実際の契約書を舐め回すように読んだ後で判断するべきです。
単語ひとつくっつけて言い換えたところで、その変化は何の判断材料にもなりません。

まるごとフラットリボ(PayPay)だの支払い名人(JCB)だのペイフレックス(アメックス)だの、サービス名称を変えたところでリボ払いはリボ払いってのと同じです。

自分で情報の精査もせずに語感や印象だけで上手い話に飛びついて痛い目を見るならば、それは騙された云々以前の問題で完全に自己責任でしょう。
(リボ払いのサービス名を変えてコソコソしてる各社は規制されろとは思ってます。特に支払い名人はひどすぎ)

話を戻しまして、この会話の時点で馬鹿にされてるかこの人が馬鹿なのかどっちかだなと思ったので、もう適当に切り上げて帰ろうと決めました。
隣に座ってる家族なんて苛々が限界突破して凄い勢いで貧乏ゆすりしてましたしね。初めて見ました、貧乏ゆすりしてるの。

まるで実のない話を聞かされるだけの無駄な時間を過ごした後、いよいよ勧誘本番な雰囲気になったところで「ここまでの話を聞いてどうでしょう?興味がありますか?」と聞かれました。
「ないです」と即答して、円満に解散しました。

はしづめ

マジで無駄な時間だった……。

比較的あっさり帰してくれたのは良かったです。
ちなみにおじさんのお話し中ずーーーっと、Aさんは熱心にメモを取っていました。
あの話のどこにメモを取る要素があったのかが最大の謎です。

マルチ勧誘アフター

お土産にパンフレットと名刺をいただいて、お二人に「がんばってください😊」と伝えて帰宅した後、私はAさんからの連絡を即ブロックしました。
本人に苦言などは一切伝えていません。特に恩も義理もない他人がこの先どうなろうと知ったことじゃないですし。

Aさんはどうでもいいのですが、Aさんの元職場には私もお世話になっている方がたくさんいます。同じように勧誘された人がいるのかどうかは気になるところです。
でもこれは正直、皆を心配しているというよりは単なる好奇心だという自覚があったので、首を突っ込むべきかどうかは丸1日悩みました。

皆さんいい大人なので、勧誘されていたとしても是非の判断は個々の自己責任。私が口を出すことではありません。
最悪なのが勧誘されていなかった時で、私の発言如何によってはAさんの悪口(この件で既に印象が最悪なのでどう話しても悪口にしかならない)を吹聴するだけになってしまいます。

私個人としては苦手でしたが、Aさんはその職場で上司や同僚に可愛がられていた人です。
円満に退職していて業務上は無関係である今、事実とはいえ「Aさん、マルチ勧誘クソ野郎に成り果てていましたよ😊」という情報を元の職場の皆さんに伝える必要性はあるのでしょうか。
これは今でも正解がわかりません。ケースバイケースでしょうね。

結局、私は自分の好奇心に負けてそれとなくAさんの元上司に探りを入れました。
やはり勧誘の手は元職場まで伸びており、被害を訴える人数は二桁にのぼり大炎上の真っ最中。
私の心配は杞憂に終わりました。一部ブチ切れている人もいましたので、私がどさくさ紛れにマルチ勧誘クソ野郎と多少失言したところで些末事です。
……言ってないですけどね?実際には言ってないですけど!

そんなこんなで、私はAさんともう何の関わりもなくなったのでこの話はおしまいです。
Aさんに勧誘された内の1人がマルチに感染したこと以外、特に面白いオチはありません。
私は人生初のマルチ勧誘をネタに、久しぶりに友人やお世話になった方と会って話して楽しく遊び、今こうしてブログを書いているのでした。

めでたしめでたし✨

勧誘後に考えた色々なこと

マルチ商法についての誤解を解こう!

今回マルチ勧誘を受けて、これまで縁もゆかりもなかったマルチ商法について色々調べてみました。
ニュースなどで聞いて存在を知ってはいました。しかし周りにやっている人なんて一人もおらず、勧誘されたという話を聞いたこともなく、たまたま勧誘っぽい現場を見た……なんてことすらありませんでした。
相手の手の内を知るのは自衛のためにも有効ですし、知識を得て自分の考えをまとめるきっかけになったと考えれば、勧誘された経験もそこまで悪くはなかったのかもしれません。幸い、30分ほど退屈な話を聞かされた程度の被害で済んでいますし。

さて、マルチ商法への誤解といえば、定番は「違法行為だと思われている」ことだと思います。
ネズミ講と混同してしまっているパターンも散見されますね。私も調べるまではこの辺りの認識がふわっふわで曖昧でした。

マルチ商法とネズミ講の違い

マルチ商法:正式名称は「連鎖取引販売」といいます。勧誘によって入会金および会費を請求し、多くの場合は勧誘者が所属するチーム内で分配します。物品や役務等の商材売上が収益のメインである場合が多く、入会金無料を謳うマルチ商法も存在します。
扱う商材は化粧品やサプリメントなどの物品から、暗号資産や権利収入といった投資系まで様々です。後者は「モノなしマルチ」と呼ばれ、高額な配当金を期待させて投資の名目で入金させる手口が一般的で、近年経済不安を抱える若年層・高齢層を中心に広がっています。
ネズミ講と違って商品の売買や投資の配当金で回し、小規模なグループ単位で売上を管理するため、流通がある限りは破綻しません。
『特定商取引に関する法律』(外部リンク)により厳しく規制されていますが、合法です。

ネズミ講:正式名称は「無限連鎖講」といいます。勧誘によって高額な入会金を請求し、勧誘者と勧誘者の親会員以上とで分配します。マルチ商法と違い特定の商材(物品の他、役務の提供なども含む)が存在せず、会員の入会費および会費のみで回しているのが特徴です。
マルチ商法で苦労する商品の売り込みがなく、勧誘だけで配当金が得られることから「簡単に稼げる」などと謳われますが、人口は有限であるため最終的に破綻します。
『無限連鎖講の防止に関する法律』(外部リンク)により禁止されている違法行為です。

要するに合法なのがマルチ、違法なのがネズミ講です。
私が受けた勧誘は第33条に反していたので違法でした。おじさんの方はわかりませんが、Aさんは特商法自体を知らない可能性だってあります。
このような勧誘が横行している時点で合法だからといって安心は出来ませんし、特定商取引法が何故厳しく規制しているのかを考えればそれだけ危険のあるビジネスなのだと思い至るはずです。
そもそも本当に問題がないのなら、警視庁の公式サイトで悪質商法だと紹介される(外部リンク)ようなことにはなりません。

法的には問題のない商売であるはずなのに、何故マルチは嫌われるのでしょうか。
個人的には「信用と時間を金に換えるビジネスモデルそのものが非効率」、これに尽きます。

勧誘によって友人を失ったという経験談は少なくないですし、中にはマルチ商法をきっかけに崩壊してしまったご家庭もあるようです。
私は信用と時間はお金で買えない最たるものだと考えており、この2つはビジネスにおいて貸借対照表には記載されない最も大切な資産であると認識しています。
そしてマルチ商法は信用と時間、2つの資産を金品とトレードする商売であると考えています。
信用と時間は資産を生み出すためのツールであって、それ自体を対価として差し出すのはあまりにも非効率、価値がまるで釣り合っていません。

私はマルチ商法が合法だからといって安全なビジネスであるとは思いませんが、マルチ商法を生業としている方やマルチ商法そのものを否定・嫌悪しようとも思いません。
自分に関わって来なければどうでもいいです。煙草みたいな感じですね。私のいないところで吸っててください。

おじさんのトークスキルについて

これまでも散々言いましたが、クッソ下手でした。褒めるところが「表情として活用は出来ていないが、笑顔を保つことは出来ている」くらいしかなかったです。
プレゼンに近い形式だったので台本感が駄々洩れで、ところどころで対応力のなさが露呈していました。

ですがおじさんの自己申告によると、これまでに1000人以上を勧誘しているらしいんです。

衝撃でした。本当にそれだけの場数を踏んだ上であの勧誘ならば、失礼ですがあまりにも才能がなさ過ぎます。
成功率がどれくらいなのかきちんと分析して把握しているのでしょうか。自分で勧誘の録音を聞き直して改善点を探るなど、PDCAは回しているのでしょうか。
営業スキルに限らず何事も、頭使わずに数こなしたってろくに身に付かないし成長もしないと思うんですけど……。

散々ボコボコに言いましたがこれは私が予め不信感を持って勧誘の席に臨んでいるため、相手の一挙手一投足にマイナス方面のバイアスがかかっている可能性が大いにあります。
マルチ勧誘ではない普通の営業さんだったら、ここまで悪い印象は持たなかったでしょう。

ABCCの謎

Aさんが謎に「ご家族の方も一緒に~」と提案してきた件について。
おじさんのトークスキルを見た後だと余計に謎です。

確認したわけではないので憶測になりますが、単純にカモは多い方がお得だと考えたからだと思います。
Aさんは勧誘を初めて1~2ヶ月、現在のランクが如何程のものかわかりませんが下の方であることは間違いありません。
おじさんの方も組織内ランク上位の人間には見えませんでした。つまりこのお二人は、会員獲得のためもっとも躍起になっている層だと考えられます。

マルチ商法の勧誘者は大きく分けて「本気で良いものだと信じて善意で勧めてくる人」と「そうじゃない人」がいるようですが、Aさんがどちらだったのかはわかりません。
どちらにしろあの技量で二兎を追うのは無理があるよね……というのが正直な感想でした。

マルチ商法のABC

マルチ商法の勧誘は「ABC」と呼ばれる構成で行われます。

  • A……アドバイザー/説明する人
  • B……ブリッジ/勧誘する人
  • C……カスタマー/勧誘される人

今回の場合はAさんがB、おじさんがA、Cが私と家族の二人ですね。AさんがAさんなせいでややこしいな。

マルチに勧誘されたことでどんどん無駄な知識が増えますね✨👍

Aさんがマルチにハマった経緯

※この項目は後からAさんの元職場の方々に聞いたお話です。

Aさんは正社員として働いていましたが、数ヶ月前に職場を辞めました。この時既にマルチ商法にどっぷりハマっていたようで、辞めたのもマルチ商法で本気で稼ぐことを決意したからだと推察されます。上司には起業すると伝えて辞職したそうです。
元同僚の方からは「最後に挨拶しに来た時は、この職場を少し見下したような態度だった」という話も聞きました。マルチ商法に心酔し、将来得られる(可能性は限りなく低い)夢のような高額収入に舞い上がってしまうというのはよく聞く話なので、恐らくAさんもこのパターンだったのでしょう。

Aさんは元々マルチ商法などに懐疑的で、過去にそれらしい誘いを受けた時は同僚に対して「あんなんやるの頭おかしいでしょww」と笑いながら話すような人でした。
今すっかり心酔している団体のことも最初は馬鹿にしていましたが、誘われたセミナーに冷やかしで参加したところ会場の熱気にあてられたか何かで考えを改め、熱心な勧誘者として生まれ変わったのだそうです。

お手本みたいな洗脳コースですね!😊

好奇心で勧誘を受けてこの記録を書いている私が言っても説得力がありませんが、マルチ商法に好奇心で近付くのはやめた方がいいです。

私は2対1での勧誘(いわゆるABC)だったので承諾しましたが、これがセミナーだのお茶会だの、多対1だったら絶対に行きませんでした。

Aさんは同調圧力やマインドコントロールを舐めすぎです。
自分以外の全員が「YES!!!」と笑顔で盛り上がっている閉鎖空間で、たった1人だけ「NO」と声を上げられる人はそういません。
胃液の量を自分の意志で調節することが出来ないように、脳の働きの全てを理性で制御することは不可能です。
セミナーなど目に見えた虎の巣穴に赴くのは、カモとしてネギを背負って出汁が煮えた鍋の中に飛び込むのと同じだといえます。

もちろんマルチ商法をやるかやらないかは個人の自由ですし、純粋に興味があるのなら止めはしませんが。

マルチ商法の勧誘が難しい理由を考えてみる

マルチ肯定派も否定派も、マルチ商法の勧誘は難しいという認識は共通しているのではないでしょうか。
勧誘の常套句「頑張れば頑張っただけ稼げる」はつまるところ「頑張らなければ稼げない」ということです。

マルチ肯定派として活動していらっしゃる方の情報を軽くネットでさらってみると、

ネットワークビジネスをしていて、集客に悩んでいませんか?

お友達を失わない勧誘方法、知りたくありませんか?

……みたいな文言の広告がうじゃうじゃ出てきます。皆さん苦労していらっしゃるようです😂
普通に働いていたら「友達なくすかも💦」なんて心配をしないといけない事態にはそうそうならないと思うんですけどね。

何故マルチの勧誘は嫌がられてしまうのか。
一番の理由は「金の話に終始するから」だと私は考えています。

ところでみなさん、お金は好きですか?

「好き!」と素直に答えられる人もいれば、「好き嫌いじゃなくて必要なものなので…」という方もいるでしょう。
「嫌い!要らない!!」って人はそんなにいないんじゃないかな。私もわりと好きです、毎日お世話になっています。

お金が好きな人は多いはずです。
ですが『お金の話』は嫌いな人が多いんです。

これはマルチ勧誘を受けてから初めて考えて立てた仮説なので、自分の感覚以外に一切エビデンスはないです!
でもそこまで的外れではないんじゃないか?って気がしてます。
上で「お金は好きですか?」って書いてあるのを読んだ時に内心ちょっと身構えた人、いるんじゃないでしょうか。

ここで私が「マルチ商法はダメです!ちゃんと稼げるのはコレですよ!!」と言いながら、別記事や別サイトへのリンクを貼り出したとします。
更にプロフィールを見ると「脱サラして今は〇〇で稼いでます!社畜生活から一転、海外旅行や△△での高級ディナー、今はなにも、我慢しません!」と書いてあったとします。

この時点で広告やプロフィール内容の真偽は問わず、これまでの文章を含めて全てが胡散臭く思えてきませんか?

それって高額収入者が妬ましいとかではなくて、オープンに金の話をする奴は怪しいっていう防衛反応が働くからだと思うんですよ。
逆にこのブログが「FXで有り金全部溶かして衣食住全てを失いました」と言いつつ悲惨な経済状況を赤裸々に綴っていたら、それはそれでやっぱり怪しいじゃないですか。

日本では特定の条件下(氏名と結びつく場合等)で『年収』は個人情報として扱われます。
お金の話はそれだけデリケートなものだと捉えられているということです。

この傾向は年収に限った話ではありません。
金額の多寡に関わらずなんとなく具体的な金額を口にすることを避けてしまった経験の一つや二つ、誰もが持っているはずです。
私も最近「ごめんね、プレゼント代800円お願い出来る?」と申し訳なさげに言われました。栄転する方へのプレゼント代を有志で出すことは事前に相談済みで、その人は面倒な集金や管理・購入手配を全て請け負ってくれていました。感謝こそすれ謝られることなんて何もないんですが……何故か申し訳なくなっちゃう気持ちはわかります。

この通り『お金の話』が嫌い・なるべく避けたい人は多いのです。
だからSNSに蔓延する通帳残高の画像付き副業勧誘ツイートを見て「怪しいなあ」と思えるんでしょうし、マルチ商法を吹っ掛けられて「縁を切ろう」と考えてしまうのだと思います。
このように自衛として効果的に働くこともある一方、やりがい搾取や無償奉仕の強要などの方面でマイナスに働くこともあるわけなので、お金の話を忌避するのが良いとか悪いとかそういう問題ではないことを書き加えておきます。

日本人の国民性なのかもしれないですね、これ。
まあ何にしろ、「金!金!金!!」の話に終始しがちなマルチ商法の勧誘が難しいのは、これが大きな理由の一つではないでしょうか。

マルチ商法を更にやばくしたやーつ

近年、悪質な自己投資系団体の被害が広く知られるようになりました。
上述のお金の話を嫌がる人が多い問題をクリアした手口で、大変興味深かったのでご紹介します。

マルチ商法の勧誘フェーズを巧妙かつ複雑化したような勧誘が特徴で、最初はマルチまがいの実態を隠してターゲットに近付き、懐柔してから販売や投資名目で出資させるものです。

具体的な手口としては、まず路上での声掛けや街コン・マッチングアプリ等を利用して無差別にターゲット候補を集めます。勧誘者はターゲット候補と徐々に距離を詰めつつ情報収集し、勧誘出来そうなパーソナリティを持つ人間を絞り込みます。
頃合いを見て構成員だらけの飲食店へ誘い込み、メンター(通常のマルチ商法の勧誘でいうA=説明者に当たる人物。師匠、アップ、アドバイザー等呼称は色々)と面会させます。作られた空間内でマインドコントロール等を利用して十分な関係を築いた後に、自己投資の名目で商品を売りつけたり出資させたりするようです。

これがマルチ商法に含まれるか否かは意見が分かれそうなところではありますが、勧誘後の内容は多くのマルチ商法と似たようなものです。
仮にマルチ商法であるとした場合、特商法第33条と第34条に反する違法行為となります。勧誘のやり方からして用意周到な感じがするので、恐らくその辺りは対策が取られてそうですけれども……。

人の悪知恵は尽きないものです。気を付けていきましょう。

この長い記事を振り返って

Aさんのその後

Aさんの元職場には優しい人がたくさんいます。
勧誘に困惑しながらもAさんを案じて自分の胸に秘め続けた人ばかりだったので、被害が広がり始めてから問題が表面化するまでになんと2ヶ月もの期間を要したそうです。
私が被害状況を調べるためにAさんの元職場へ行った時は既に社員全員が事態を把握していましたが、それでも多くの人がAさんを心配していました。

「本人は自己責任だけど、奥さんやお子さんのことを考えるとね……」と、教育係として面倒を見ていた社員さんは顔を曇らせました。この方も勧誘されたそうです。
「Aさん、ここ(仕事)辞めちゃって大丈夫なんですかね?」と、やっと二十歳になったばかりの大学生は首を傾げました。この子も勧誘されたそうです。

Aさんの元上司は管轄内で実害が出ていたためブチ切れてはいたものの、多忙な中わざわざ時間を割いてまで、Aさんと直接会って話をしていました。
プライベートでも仲が良かった何人かがそれとなく説得を試みたことも、風の噂で聞きました。

残念ながら誰の声も、Aさんには届きませんでした。

面白半分に冷やかすだけ冷やかして「どうなろうと知ったことじゃないし😊」と真っ先に関係を絶った私に続き、1人また1人と、Aさんとの連絡を絶つ人が増えています。
薄情な私と違い、彼・彼女たちはAさんの親しい元同僚や友人で、Aさんにとって何ものにも代えがたい資産だったと思うんですけどね。

こんなに優しい人たちが、今のAさんの目にはたった2000円ぽっちにしか見えていないのだろうと考えると、少し可哀想な気がしなくもないです。

終わりに

さて、既に顔も名前も忘れかけていますが、今後一切会うことはないだろうAさんへのささやかなエールでこの記事を締めたいと思います。

一般財団法人全国福利厚生共済会(全厚済/プライム倶楽部)でのご活躍を心よりお祈り申し上げます🙏

長い記事をお読みいただきありがとうございました!

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